非球面

球面だけで作られたレンズは、像の滲みや様々な収差が生じ、精鋭な画像を得る為の弊害の元となる。これに対する解決策として、形状の異なるものや、屈折率の異なる透過物質を組み合わせることによって、回避しようとするのが一般的なレンズ群である。しかし、複数のレンズで構成されるシステムは、重量の点やコスト面での問題を抱え、球面レンズだけでの組み合わせではやはり限界があり、長年停滞の様を呈していた。そうした歴史の中で考案されたのが非球面レンズである。これはレンズの一面以上が球面以外の曲面になっている(楕円面、双曲面、放物面やさらに複雑な曲面もある)為により高度な収差の除去が可能であり、大口径や小型化をスペックの低下を招くことなく実現できる。しかし、製造には高度な研磨技術を要するために、コスト面で長年に亘って問題を残していた。しかし、現在では様々な技術の結集により、新素材の開発やそれに対する加工が進化し、例えばプラスチック素材の使用やそれに対するプレス技術などが普及し、大幅なコストのダウンが実現できるに至っている。また、複雑な非球面を組み合わせることにより、従来では成しえなかったレベルの製品が流通する現在に発展したのである。